1. 開催趣旨

インターネットがわたしたちの社会の不可分な存在になっている今日、インターネットに関して生じる問題は、リテラシーの向上や権利の保護といった個人レベルのものから、通信インフラや事業環境の整備、情報セキュリティの向上といった社会レベルのもの、国家間対立のような国家レベルのものまで多岐にわたっています。

このような問題についての国際的な対話の場として、2006年以降、国連の主導のもとにインターネットガバナンスフォーラム(IGF)が毎年1回開催されています。また、各国・地域版のIGFも数多く設けられています。

日本でも、このようなインターネットガバナンスに関する議論を活発にするべく、2021年5月より「IGF 2023に向けた国内IGF活動活発化チーム」が活動しています。本チームの主催により、このたび、2023年9月7日と8日の2日間、日本国内でインターネットガバナンスの議論を行う会合を開催する運びとなりました。京都で開催されるIGF 2023に日本から提案されたセッションの紹介および議論が中心となります。インターネットガバナンスの諸課題に関して、分野および組織横断的に活発な議論につながれば幸いです。

また、2023年10月8日から12日には、第18回となるIGF 2023が京都およびオンラインで開催されます。皆様のご参加をお待ちしております。

2. 開催概要

■日時

  • Day 1  2023年9月7日(木)13:30-17:00(ハイブリッド)
  • Day 2  2023年9月8日(金)11:10-14:30(オンラインのみ)

■会場

  • 7日:エッサム神田ホール1号館(東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2)およびオンライン(Zoomにて提供)
  • 8日:オンラインのみ(Zoomにて提供)

■主催:IGF 2023に向けた国内IGF活動活発化チーム https://japanigf.jp/about/igf-2023igf

■対象:国内外で話題となっているインターネットガバナンスに関連した各種取り組み・課題等に関心をもつ皆さま及びIGF2023京都へのご参加を検討されている皆様

■参加費:無料

3. プログラム

Day 1: 2023年9月7日(木)

開会挨拶

  • 加藤 幹之(IGF 2023に向けた国内IGF活動活発化チーム チェア)【録画】
  • 村井 純(日本IGFタスクフォース/慶應義塾大学):ビデオメッセージ【録画】

1. 日本におけるオンライン上の児童ポルノ対策-国連をはじめとする国際的観点から見た日本の対策の意義:法的、技術的等の観点から【録画】

  • 登壇者

    • 立石 聡明(一般社団法人インターネットコンテンツセーフティ協会/一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会)【発表資料】
    • 中井 裕真(公益財団法人日本ユニセフ協会)

2. サイバーインシデント対応者とのグローバルな対話【録画】

  • サイバーセキュリティインシデントからグローバルなインターネットを守るというミッションを持つCSIRTと、それを取り巻く環境は、近年急速な変化を迫られています。今回は国境を超えたCSIRT間の協力とその課題、今後の可能性について、JPCERT/CCが登壇する2つのセッションをご紹介しつつAPCERTの事務局を務める立場からお話しします。

  • 登壇者:登山 昌恵(一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター)【発表資料】

3. ビデオオンデマンドに関する規制【録画】

  • VoDの影響力が強まる中、事業者に対して Fair Contributionと Local Content Contributionという2種類の規制が議論されています。本セッションではその規制の概要や背景について議論します。

  • 登壇者

    • 水越 一郎(東日本電信電話株式会社)【発表資料】
    • 米谷 南海(一般財団法人マルチメディア振興センター)【発表資料】
    • 実積 寿也(中央大学)

■Day 2: 2023年9月8日(金)

4. AI戦略をめぐる国際的な議論【録画】

  • 日本が議長国であるG7で議論されている「広島AIプロセス」、欧州連合のAI法案、欧州評議会のAI条約、国連安全保障理事会のAIの討論、米国における開発企業による自主規制。そのほかにも中国、インド、グローバルサウス等がAIのルール作りに関して様々な議論を展開している。2023年10月に開催されるIGFでは多様なステークホルダーが集まるが、そこでの国際的な議論の背景を専門家であるパネリストたちの視点から解説と議論を行う。
  • 登壇者
    • 市川 類(東京工業大学データサイエンス・AI全学教育機構 特任教授/一橋大学イノベーション研究センター 特任教授)
    • 江間 有沙(東京大学未来ビジョン研究センター 准教授):司会【発表資料】
    • 実積 寿也(中央大学総合政策学部 教授)
    • 中川 裕志(理化学研究所革新知能統合研究センター チームリーダー)
    • 羽深 宏樹(京都大学大学院法学研究科 特任教授)

5. 発展途上国の開発に寄与する、信頼できるデータ流通構築に向けての課題と機会【録画】【発表資料】

  • 信頼できる自由なデータ流通(DFFT)とは何か、なぜ安全なデータ流通が先進国のみならず発展途上国でも有用だと考えるのか、また途上国の懸念はどのような所にあるのか、などについて簡単な趣旨の説明と共に、IGF本番での議論への参加をお誘いします。

  • 登壇者:山中 敦之(独立行政法人国際協力機構(JICA))

6. 社会的、経済的、環境的責任を担うキャンパス/IoTに関するグローバルな成功事例【録画】

  • 登壇者:江崎 浩(東京大学大学院情報理工学系研究科 教授)

閉会挨拶【録画】

  • 登壇者:江崎 浩(日本IGFタスクフォース副会長/東京大学大学院情報理工学系研究科 教授)